【近況】
■■演劇関係■■
【出演】3月19日(月)〜21日(水祝)シンクロ少女『LOVE』Chapter3@OFF・OFFシアター(下北沢)に出演します。詳細はこちら。ご予約はこちら。[2018/02/08]

■■映像関係■■
【出演】短編(2分)の映画『End Of Asia 〜アジアの端の不思議な帽子屋〜』が、SONYの「PROFESSIONAL MOVIE AWARD」にて審査員賞を受賞しました。こちらからご覧いただけます。[2017/01/17]
【出演】出演DVD『love and hate』の発売を記念して、挿入歌「どしゃぶり」のMVが公開となりました。詳細はこちら。[2015/03/12]
【出演】出演作「連続webドラマ[CHATGIRL 2nd]Saori〜優しい女〜」も含めシリーズ全話が収録されたオリジナルDVD『love and hate』が数量限定販売中です。詳細はこちら。[2015/03/12]

■■音楽関係■■
笹口騒音オーケストラ参加の新アルバム「笹口8才記念盤 スピリットアルバム『あなたの悲しみは売れるだろう』」発売中。通販はこちら。[2017/03/08]
笹口騒音オーケストラの1stライブDVD『TOMORROWISLAND IN THE MOON』発売中。詳細はこちら。通販はこちら。[2016/07/13]
笹口騒音オーケストラの公式Twitterができました。[2016/02/12]


2014年10月15日

作られた穏やかな時間に

駄文
私か、私のような誰かの話

満たされない。

なんでもいいから口に放っている間だけはなぜだか私は私の中の隙間のことを感じにくくなるので、次から次へと家中のものを口の中に入れる。

過食症のはじまりだね。やばいよね。知ってる知ってる。

食べ過ぎな自分を知っているのでまずコーヒー入れて、作り置きの野菜スープを食べる。んで結局、パン食べたくなって焼いて食べて、食べ終わったらごはん食べたくなって、食べ終わったら麺食べたくなって、いかんいかんってコーヒー入れて、たまにお酒飲んじゃったりもして、飲み始めるとなにか食べたくなっちゃって、無限のデブループ。デブループ、て。エネループかよ。
せめてエコであればいいのに、私はただゴミを生み出すだけだ。

自分の中に圧倒的な穴と隙間があるのがわかる。
いつからこんな風なのかわからない。明確な原因も特に見当たらない。気付いたらこうだったし、気付く前こうじゃなかったのかどうかも不確かだ。

レトルトっていうの?レンジでチンだけすればいいやつ。の、ハンバーグを買うかバジルチキンを買うか悩んで、ハンバーグはありきたりで味も知ってるし、と思ってバジルチキン買ったんだけど、チキンっていうかこれもミンチにした鶏肉固めたやつじゃん、ハンバーグとほとんど一緒じゃん、と思って一瞬イラつく。あと3個もあるよ。なににイラついてんのかわからなくなって、そのイラつきはどっかにさっさと放り投げる。
そもそも普段はこんなの買わないんだけど、ブロックのベーコン買うのに「この表示のあるものの中から、どんな組み合わせでも2個で550円」ってスーパーのポップにまんまとやられて、普段買わないようなものを買ってみたんだった。ベーコン2個買えばよかったよ。恐るべしスーパー。恐るべし消費社会。おお、イラつき放り投げれてないじゃん。ばかなあたし。

あなたが私用に色や形を変えてくれてるのは知っている。
そして私が知っていることをあなたは知っている。
私もあなた用に幅や湿度を変えている。
それをあなたは知っている。
あなたが知っていることを私も知っている。
けれどそれらのなにひとつ、私とあなたの間で言葉にしたこともないし確認したいとも思わない。
だってそうして作り上げた穏やかな時間に甘えて、もたれかかって、満たされて、救われているから。私は。あなたもきっと。

そこに嘘はひとつもない。
それが心地好い。
ある条件の中でだけそう在れることをわかって、でもそこに飛びこむ私たちは、その瞬間だけアクアリウムの中の魚のようだ。
安定して、安心して。

けれどそれでは生活していけないことをわかっている。
世話してくれる人間がいない以上、餌は自分で確保しなければいけないし、それにはこの水槽に長くいるわけにいかないのをわかっている。
ここで衣食住は出来ない。
ここで子供は育てられない。
いやまあそもそも産めないし。

あなたが水槽の外でどうしているかを私は知らない。
知りたいような気がすることもあるが、知らない方がいいだろうと思う。
私たちの水槽のために。
その均衡と安心のために。

穏やかな暮らし。
穏やかな暮らし。
欲しいものは穏やかな暮らし。
あなたの優しさが染み入って染み入って雨になります。

いつか海辺の街で、正確にはかつて街だった場所で、絶壁の岩の先端にあるような喫茶店に入ったことを思い出す。
曇り空の下、どす黒い深い海の色以外には何も見えず、霧がかった世界、すべてがぼんやりとしていた景色。けれど幸せだった。ぴたりと止まった時間の中で、コーヒーだけが冷めていった。
いや、コーヒーを頼んだのかどうかも定かじゃないな。私は紅茶かココアを飲んだかもしれない。綺麗な言葉を紡ぎたがる人間ってずるい。
それにしてもあの時あの時間あの場所にほとんど喋らずにただいたことが、今でもこんなに鮮明に思い出せる記憶になるとは思っていなかった。
思い出、とか、記憶、って、そういうもんなんだろうけど。
けれどあれが私の幸せだった。

水槽はいつか壊れるだろう。
もしくは忘れ去られるだろう。
この世の誰からも。

その時。
私たちが笑って生きているといいね。

私は心のどこかで、水槽が海になればいいのにと切望している自分も、知っている。知っていてじっと、知らないふりをして、隠している。

家にたどり着くひとつ手前の道を数十メートル歩くと、遊具が3つだけあるそこそこな広さの公園があるのを、ここに住み始めて1年半、今日、はじめて見つけた。


posted by たなか沙織 at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ちいさなお話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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