旅日記その2…「1月17日(金)、京都でゆっくりないちにち」
旅日記その3…「1月18日(土)、意を決して大阪へ」
引き続き、4日目です。
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13:45頃起床。
起きたら横にこの子が寝てた。
おはよう鳥取。
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おばあちゃんに、京都・鈴虫寺のお守りの説明。
コーヒーをいれゆで卵を食べて、支度。
田中家の朝食はセルフサービス。
物心ついたころからそうだったから、どのおうちの朝ごはんも、そういうもんだと思っていた。
ねぼけまなこで布団から這い出れば、食欲がなくても目の前にぽんぽんごはんが出てくる、なんてのは、おとぎ話みたいなもんだと思っていた。
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弟の運転でお昼ごはんを食べにお出かけ。助手席には母。
私はこういう、親孝行は、ひとつもしてあげれてないなあと思う。
息子の運転する車の助手席に乗る日が来るなんて、赤ちゃんで生まれてきたときには想像もしてなかっただろうものなあ。
途中、新しい家の土地を見る。
今の実家とほんと道が1本違うだけ、歩いて3分くらい離れただけのとこ。
道中、母が友人宅に写真を配りに回りたいというので、懐かしい近所の、同世代のこどもがいたおうちを何軒か尋ねる。
10年以上ぶり、覚えてないくらいぶりに、友人のお父さんに会ったりした。
なんて物腰の柔らかい人。
…てなことは、こどもの頃は思わなかったけどこの歳になって会うと思う。
でもおじちゃん昔からこの感じ。女性らしいしなやかさを持った人。ぜんぜん老けない。
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車内で3人、「お母さんの作るカレー」についての話をあれこれした(ここが好きだ、とか、ここが他の家のカレーと違う、とかいう平和な話題)のだが、
全員が自分の言いたいことを言って相手の言うことはあまり真に受けて聞き入れない、という、なんとも遠慮のない感じ。
親子だからこその会話だなあと思う。みんな頑固。
まあだから、それぞれが「やりたいこと」がハッキリしている人間に育ったんだろうな。
うちは父親が居ないので、弟が母の全ての対等な話し相手になっていて、私は太刀打ち出来ない。
まあ、それが実家を出た人間の引き受けるべき寂しさだし、弟は弟でそのぶん、様々なものを引き受けてくれている。
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薬膳Kitchen Cafe Joinというお店でごはん。
オムライスをいただきました。
お店の名前をTwitterに書いたら、「そこお父さんのお店です!」と言われる驚愕の地元リンク力発動。
かつて私が高校生の頃、まだ多分小学校上がる前のその子も一緒に影絵劇やってた。もう今高専生?会いたいなあ。
その後、宝製菓という菓子メーカー直営のお土産ショップで買い物。
一時「秘密のケンミンSHOW」で紹介されたのがきっかけで、レシピが掲載されていた倉吉市役所のサーバーがダウンするほどだった学校給食メニュー「スタミナ納豆」の、ふりかけなるものが販売されていた。
ちゃんとスタミナ納豆の味がした。
スタミナ納豆は確かに、美味しいんだよなあ。今度久々に作ろう。
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移動し、パータン(「パープルタウン」という地元民御用達のショッピングセンター)で靴2990円とコート2着で2610円を母が買ってくれた。
靴、めっちゃかわいいやつがみつかったので嬉しい。
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夜は、高校時代の同級生数人で集まって「ごえん」という店で飲む。
その中で、高校3年間の間、常に演劇を一緒にやってきて「二人でひとつ」くらいに思っていた親友というか同志というか、に、7年ぶりくらいに再会。
そいつが、色々な変遷を辿って挙句いま、地元で「県庁職員」になっていると聞いて、恐れおののいた。はあ…10年…。きみが一番ちゃらんぽらんだったのになあ。笑
でもそいつが居たから今の私があると間違いなく言えるし、私はなんやかやあった10年を経ていま演劇を、東京で、やっていて。
東京に出てきてよかったなあ、って思わなかったことはないし、この先も昔からの友人も、大切にしていたい。
10年経って今、その、かつての相方とすら思っていた人物に、「おれら、にこいち、だったよね」と言われる。
うわああ、そんなこと、言ってくれるんだ。っていう、嬉しさ、ちょっと切なさ、有り難さ。
高校生の頃はそんなこと、なんか気恥ずかしさと「わざわざ言わなくったって」っていうので言葉にしなかったな。
でも改めて言葉にして相手に届けることで、繋がるものがあるね。
幸せな人生生きようぜお互い。
その日一緒に会っていたもう一人は家具職人、もう一人は漫画家。
みんなそれぞれの道を選択して歩んでいて、格好いい。負けとられん。
深酒したわけじゃないけど、駅から「徒歩」40分、を選択したことに、どうにも説明がつかない夜。
私の実家のあるあたりは完全に車社会だから(鳥取ですもの)、「わざわざ歩く」なんてのは一切意味不明、って感じだ。
でもこの道を、歩きたかったんです。
とか言っても、変人、の領域なこと。は、わかっているのだけど。
高校まで通った道、中学まで通った道、をなぞって、帰宅。まったく、親不孝な娘ですみません。