懐の深いひと、心遣いが細やかで器の大きいひと、がまわりに多くて、救われているし泣ける。し、とかく申し訳ない。
2月頭から減薬に入った影響である。
ここ3年投薬治療を続けてきたうつの症状がかなり落ち着いてきて平常通り生活や仕事や人付き合いが出来るようになり、この1年ちょっとはさまざまな山あり谷ありの日々だったがそれでも体調が安定していたのと、稽古の入っていないスケジュールである今が良いタイミングなのではということで、担当医と相談して、ついに減薬をスタートした。
現役で役者をやっている人間が、持病のことをこんなにおおっぴらに書くのはいかがなものだろうか、同情を誘っているように見られてしまうかもしれないよな、という危惧もないではないけれど、こういう人間でも生きている人間がいるのだということや、その過程や日常や変化を出来る限り書き残しておくことで、もしかしたら似たような状況に陥ってしまう人たちの何かしらの参考になったらいいなという気持ちが大きい。
近しい友人・知人でもそうでない人でも、本当に行き詰ってどうしようもなくなることなんて、人間である限り「無い」とは言い切れないのだから、どこにもすがる術もなく話せる相手もなく、という時に、ひょっと覗いたり声をかけてもらえたらいいなと思う。
むろん、自身の備忘録でもある。
そして、多少なりとも元気になっているからこうして書けるのではある。
完治するまでは、それ込みでの私であるので、いや別にだからと言って大きな声でそれをひけらかしたいわけでは決してなく、自分のブログにちまちまと書いている分にはお許しください、読みたい人だけお読みください、という感じです。
第1回目の減薬は、惨敗でした。
抗うつ剤や抗不安剤は、種類によるけどその多くはそんなにすぐに薬効が出ない。影響が出るのに私の場合、早くても1週間〜10日かかるので、減らしたり増やしたりしても同様に変化がみられるまでに時間がかかる。
私の場合、2月にスタートし、第1段階の減薬では特に変化がなく順調で1ヵ月は何事もなく、第2段階の減薬をスタート後3週間して、不調が出た。
不安と恐怖に襲われてまったく身動き取れなくなり、大好きなはずの春の陽気が眩しく痛く、やわらかい風もただただ辛く、世界がおそろしく人がおそろしくて仕方がなくなってしまい、カーテンを閉めきって暗い部屋の中で数日泣いて過ごした。
「もう元気、大丈夫」って思ってたけど結局、薬に支えられてこその自分でしかなく、このまま自分はまた駄目になってしまうのだろうか?と、この3年はなんだったんだろう?と、絶望的な気持ちだった。
けれど逆戻りだけはしたくなくて、この3年支えてくれた人があったからここまでこれたのにそれを無下にはしたくなくて、5日間うずくまったのちようやく、這うようにしてなんとか病院へ行った。
担当医と相談し、減薬は一時ストップして減薬開始前の元の量の薬に戻し、また具合が落ち着いたらタイミングを見計らってリスタートしよう、ということになった。
減薬は大変なものだ、と聞いてはいたけれど、
うん、たいへん。
でも私はたぶん、まだ全然ましなほう。だって体にはまだ影響が出ないから。頭痛とか吐き気とか口渇とか体中が痒いとか不眠とか食欲の増減とか。
今回は中断したけれど、絶対いつかは減薬を達成したい。
こればかりは自分が自分に打ち勝つしかない。